台風や洪水で自宅が床上浸水したときの片付け手順【台風19号のときの体験談】

こんにちは Nanaです。

もう半年以上も前のことになりますが、実は台風19号で自宅が床上浸水してしまい、家中泥だらけになってしまった経験があります。

また今年も台風が発生したとかニュースを聞くと嫌な思い出としてよみがえってきてなかなか辛いものがありますが、床上浸水した時の体験談が誰かの役に立てばいいいなという思いで今回記事を作成してみました。

床上浸水後の片付けはとても大変ですが、参考になれば幸いです。

片付けはのんびりやろう

私も自宅が床上浸水したから言えることですが、家中泥だらけの状態を見るととても悲しい思いにもなりますし、これを片付けるのかと思うと先が見えない絶望感も押し寄せてきます。

実体験として、床上浸水したときの片付けは長期戦になりますので頑張って片付けようと気合いを入れすぎても段々と辛くなってくるので、長期戦と思ってコツコツと頑張っていく方がいいです。

実際に私が片付けをした時の方法を紹介していきますので、一つ一つ着実にこなしていきましょう!

片付けの前に行うこと

私もそうでしたが、初めての経験で何から手を付けていいか分からない状態ですよね。

私が被災した時に調べて実際に行ったことや後からこの記事を書くにあたって改めて調べてまとめた物を手順として紹介していきます。

家の中を写真撮影

まずは片付ける前に家の中がどんな状況になっているのか手持ちのスマホやタブレットなどで撮影をしていきましょう。

この写真は罹災(りさい)証明書の発行や保険の請求に必要になりますので、片付けの前にやるようにしましょう。

家の外側の写真は家の4方向から撮影して、どれだけ家が浸水したか分かるように撮影をします。

この時、人だったり高さが分かる物を一緒に撮影しておくことでどれだけ浸水したか分かりやすくなります。

また、室内も同じように撮影していきますがこのときも家具家電と一緒に撮影しておくと、室内の浸水状況が分かりますので、おすすめです。

私の場合はこの写真を役所で見せただけで罹災(りさい)証明書の発行手続きも行えましたし、保険の請求手続きのときも担当者が実際に家を見にきた時にこの写真を使いたいということで渡していました。

しっかりと撮影しておいたおかげか手続きが円滑に進んだので、非常時だったのでとても助かりました。

施工会社・大家・保険会社などに連絡

次に行うのは施工会社・大家・保険会社などに連絡をします。

私の場合は施工会社に連絡をした事で工務店の人がすぐに来てくれて、電気を復旧させるために電気工事業者を呼んでくれたりしたので漏電ブレーカーの修理などが円滑に進みました。

また、床下の泥を泥やごみを除去・清掃する作業は床に穴をあけたりする必要があるので、工務店など慣れている業者に頼むのもおすすめです。

そして、家と同時に車も浸水して使えなくなっている可能性が高いので、保険会社や車を購入したディーラーに連絡をしてレンタカーを手配してもらうなどをしておくと、被災後の片付け作業や生活にとってメリットがあります。

考えることはみんな同じですので、片付け後のリフォームなども含めて、この部分はなるべく早めに連絡をするなど行動をするようにしましょう。

片付けの準備

家の中の撮影や業者への連絡が終わったら、いよいよ片付けの作業に入ります。

ですが、片付けをするのに普段の服装で行うのは大変危険です。

浸水した時の水は泥水であり、下水が逆流していることもあるのでとても汚い状態です。

ですから、まずは片付けをするのに適した服装や道具を用意しましょう。

そして、片付け作業は感染症の可能性がある作業となるので、子供は参加させずに大人だけで作業を行うようにしましょう。

服装

服装は地方自治体のホームページでも同じような物が紹介されていますが、普段から自宅にない物も多いです。

災害に備えて準備をしておくのが一番ですが、私の住んでいた地域はハザードマップでは浸水の可能性があると書かれていたものの過去50年以上そのようなことがなかったので、何も準備をしていませんでした。

ですから、片付けを始めようと思っても服装がなく、困ったので親戚に少し離れたホームセンターで購入して持ってきてもらいました。

近くのホームセンターだと考えることはみんな同じで殺到して品切れ状態となっていることが多いので、親戚や友人で手伝いに来てくれるという人がいたら、その人に自分達の分を含めてホームセンターなどで購入して持ってきてもらうのがおすすめです。

頭部

ヘルメット・帽子・タオルなどで保護をします。

そして、片付けの際に粉塵を吸い込む可能性があるのでマスクを着用します。

同時に不衛生な状態ですので、水泳のゴーグルなどで目も保護するようにしましょう。

上半身

ヤッケ、カッパ等を服の上から着ます。

MEMO

ヤッケとは通気性が良いナイロン生地で出来ていて、撥水加工されている作業着。

作業用品店やホームセンターで入手可能。

自宅にヤッケがある方が珍しいと思うので、カッパ等のレインウェアを着たらいいと思います。

そして、素手で片付けをするのは危ないのでゴム手袋をつけて作業を行います。

素手にゴム手袋をつけると蒸れてしまって作業がしにくいので、軍手をしてからゴム手袋をするのがおすすめです。

ゴム手袋は片付けの度に使うので、使い捨て出来るようにいくつか用意しておくのがおすすめです。

下半身

下半身は暑い時期だと辛いですが、長ズボンを履いて作業をしましょう。

肌が露出していると片付けの際に擦り傷や切り傷の恐れがあり、破傷風を引き起こす可能性がありますので気をつけましょう。

そして、靴は長靴を履いて作業を行います。

しかし、そのままの長靴では泥の中に隠れている釘などの危険物で怪我をする可能性があるので、踏み抜き防止のインソールを入れて使うのがおすすめです。

熱中症対策

夏場に限らず、台風の後は暑くなることが多く熱中症の可能性があります。

ですから、保冷材を濡れタオルに包んで首に巻いたり、適度に休憩をして水分補給を行うようにしましょう。

自宅に全ての物がない場合に代用品でこういうのが使えるというのをこちらで紹介しています。

自宅が床上浸水! 片付けのときの服装はどうしたらいいか体験者からのアドバイス

片付けの手順

私の家の場合は台風19号で被災しましたが、朝には水が引いていたので片付けの作業に入ることが出来ました。

片付けは水が引いて、避難指示が解除され安全が確認されてから始めるようにして下さい。

STEP.1
不要な物を片付ける

まずは家の外に濡れた畳やもう使えないと思った家電などを家の外に出すなどして片付けます。

濡れた畳は思ったよりも思っているよりも水を含んで重くなっているので、二人で持つのがおすすめです。

この時、普段のゴミの集積所まで持っていく人も大勢いるので、ゴミの山になっていて集積所に置けない状態となっていることもあります。

ですから、自宅の敷地内に余裕があれば、そこに置いておくようにしましょう。

STEP.2
汚れた床や壁を洗い流す

床上浸水した場合は床だけではなく壁もドロドロになっていますので、これを洗い流していきます。

床:散水用のホースなどを使って床の泥を洗い落とした後にフローリングを水拭きするときに使うようなモップで拭いていくと雑巾で拭くよりも姿勢が楽なのでおすすめです。

ちなみに私がその時に使っていたモップはこれでした。

壁:壁もある程度はホースなどを使って洗い落とした後に雑巾で水拭きしていきます。

出来る事ならば、時間が経過すると泥がこびりついて洗い落とすのが大変になるので、ここまでの作業は早めに終わらせるのがおすすめです。

浸水した後の片付けは長期戦ではありますが、ここまでだけはちょっと気合を入れて頑張ってください!

STEP.3
食器類や調理器具を洗う

捨てる物を外に捨てて、家の中の壁や床の泥を洗い落としたら、泥がついてしまった物を洗い落としていきます。

まずは台所の食器類や調理器具を水で汚れを洗い落としていきますが、使用する前には次亜塩素酸ナトリウムや消毒用アルコールで除菌をする必要があります。

金属部分がある物は錆びる可能性があるので、次亜塩素酸ナトリウムが使用できません。

次亜塩素酸ナトリウムで消毒する場合は指定の濃度に希釈した後に5分以上浸して消毒し、その後十分に洗い流してください。

STEP.4
食器棚などの家具を拭く

STEP3で洗って消毒した食器類を片付ける場所も綺麗にしなくてはいけないので、食器棚などの家具を拭いていきます。

まずは汚れの付着している部分を雑巾で水拭きしていきます。

その後に指定の濃度に希釈した次亜塩素酸ナトリウムや消毒用アルコールで除菌をして下さい。

STEP.5
電気の安全確認をする

素人では出来ないので、業者に連絡して行う必要がありますが、家の電気系統の安全確認をしてもらいます。

安全が確認できるまでは家の中で電化製品を使うのはやめましょう。

また、濡れたり泥が入った家電製品は安全確認をしてもらってから、使いますが思わぬ故障などもあると聞いたので私は冷蔵庫などの電化製品は諦めて処分をしました。

周りの家を見ていても泥水に浸かってしまった冷蔵庫や洗濯機など電化製品を捨ててる家は多かったです。

STEP.6
家の床下の泥を片付けて、乾燥させる

床上浸水でも床下には流れてきた泥水によって、泥やごみ、泥水が溜まっています。

これを排水・除去・清掃して、床下を乾燥させないと土台や根太・柱脚にカビが生えたり、腐ったりしてくるので注意が必要です。

この作業は素人でも出来なくはないですが、専門の業者もいるので、任せてしまった方が肉体的な負担がなくていいと思います。

※お金はかかりますが、STEP4までやるだけでもかなり大変ですので、検討してみるといいと思います。

STEP.7
乾燥させて消毒させる

家の中の泥を洗い落としただけではダメなので、逆性石けん・消石灰などを用いて消毒をしていく作業があります。

(消毒液は私の住んでいる自治体では保健所の人が配布に来ました)

消石灰は乾燥後にそのまま床下などに満遍なく撒いて使います。

逆性石けんは1,000倍の濃度に調整してから、噴霧器や噴霧したり、雑巾で拭いて壁や床を消毒します。

そして、消毒中と消毒後は風通しを良くして、再度乾燥させます。

床下の泥の片付けや溜まった泥水の排水作業と一緒に消毒まで請負ってくれる業者が多いので、まとめて任せてしまうのもいいと思います。

実際に床上浸水となると工務店の人に聞いた話では壁に入っている断熱材も水を含んでしまっているので、壁の中から取り出さないといけないなど個人でやるには限界があると思います。

ですから、私の家も業者にSTEP6~7は頼んでやってもらいました。

最後に

私は台風19号で被災して、昼間は必死に片付け作業をして、夜には明日やるべきことみたいなのを調べていました。

ですが、断片的な情報も多く何をしたらいいか本当に分からないという感じだったのでこういうまとめ記事を今回作ってみました。

私も自宅が床上浸水になってしまって辛い体験をしたので、分かりますが生活再建までにはある程度の期間がかかります。

それに片付けの肉体的な負担もありますし、慣れない事を毎日していくという精神的なこともあってとても大変なので、どうぞご自愛下さい。

1日も早く元の生活を取り戻せることを祈ってます。